
仕事、部活、家庭。
私達の多くは常に社会の中で「他の誰か」との関係を作りながら生きています。
あなたの周りにこんな愚痴をいつもこぼしている人はいませんか?
「部下のAさんは、何回教えても同じ間違いをするんだよなあ」
「あいつは人の話を全然聞いてないんだよ・・・」
「今年の後輩たちは先輩をナメてる!!」
「子供が言ったとおりに、片付けしてくれないのよ」
このような悩み事は全て、コミュニケーション不足によりお互いの認識の差が生まれてしまったことが原因なんです。
これを『コミュニケーションギャップ』と呼んでいるのですが、組織づくりや他の人との関係づくりがうまく言っていない人ほど、このコミュニケーションギャップの存在に気づかない事が多いんです。
この正体を知り、攻略することが人間関係づくりには必須といえますね。
コミュニケーションギャップは必ず発生する
この『コミュニケーションギャップ』というやつは、当たり前の顔して所々で発生しています。
特に部下を抱えるマネージャークラスの仕事をされている方なら、日常的に感じているのではないでしょうか?
私も居酒屋で店長を任されたときに、最初にぶち当たった大きな壁は、
「思ったとおりに部下が動いてくれない。指示をしないとスムーズにいかない」といったものでした。
その時は私も、仕事ができないやつらばっかりだなーと心で思いながら仕事をしていました。
でもそれって、本当に他の人の責任なのでしょうか?
例えばこんなふうに仕事の指示を出していませんか?
①「今度の会議で使うから、早めに報告書を提出しておいてよ」
②「スタッフの休憩室が汚れてたからきれいに掃除しておいてね」
この2つの指示の出し方。典型的なコミュニケーションギャップを招く指示の仕方です。
例えば、①の場合。
指示を出した側は、会議の前に打ち合わせや事前準備を行いために、少なくとも会議の5日前には報告書を必要だったとします。
そのために早めに出してほしいと伝えたつもりだったのですが、部下からすると会議で使うから、会議の前日までに提出すれば大丈夫だと勘違いしてしまいます。早めにと言われたので頑張って3日前には提出しようとしていましたが、その前に上司に請求をもらう羽目になります。
②の場合はどうでしょう?
「キレイにしておいて」というのは、どこまで掃除をしたらキレイといえるのでしょうか?
落ちてるゴミを拾ったら?窓ガラスまで全部拭くまで?不要な荷物は全部捨ててしまおうか!?
私達は無意識のうちに「この程度、言わなくてもわかるだろう」という考えを持って伝えてしまいます。
それが理解の差を生んでしまい、思った通りの結果が得られないのは当然ですよね。
それに気づかずに、一方的に怒ってしまいさらにお互いの溝が深まっていく・・・。
負のループに悩みを抱えるマネージャーは多いのではないでしょうか。
仕事がデキる人の伝え方
では、デキる人はこのコミュニケーションギャップをどのような方法で解消しているのでしょうか。
私はこれまでの経験から、3つのポイントを抑えることが重要だと学びました。
そのポイントとは⇒
- 「出口」から具体的に伝える
- 共通認識・共通言語を作る
- 伝わったかどうかを確認する
「出口」から具体的に伝えよう
私達が仕事をする上で、この仕事の「出口」というものを明確化することがが最も大切です。
仕事の「出口」とは・・・
『いつまでに』『誰が』『何をどこまでやるか』『なんのために』やるのかを具体的にしたものです。
なんだか見覚えがある人も多いと思いますが、いわゆる「5W1H」と呼ばれているものですね。
いつまでに【When】/誰が【Who】/何をどこまでやる【What】/なんのために【Why】
ということを明確にした上で、指示を出すことが必要です。
例えば、先程の例で言うならば、
「この報告書は、次回の会議の前に行われる事前準備の打ち合わせに必要なものです。そのため5日前までには、今回の課題及び改善案を明確にした上で、報告書を作成して私にメールで提出してください。」
と伝えるのが正解ですね。
共通認識・共通言語を増やそう
次に重要なのが、そもそもの認識の差をなくすことです。
掃除の例で言うならば、キレイという状態が人によって違う状態では「キレイにする」という指示が最初から意味を持たないことになります。
マニュアルや動画などを用意して、「キレイ」という状態がどうなっている状態なのかを視える化することが大切です。
マネージャークラスになれば、実務経験も長く部下よりも能力が高いことが当たり前です。
ついつい「分かるだろう」「このくらいで」という感覚で言葉を選んでしまいますが、その言葉の認識が同じかどうかをあら次め確認しておくことが必要なのです。
また認識をすり合わせた上で、共通の言葉を使い続けていくとチーム内での連帯感を高める効果があると言われています。
例えば「出口」という言葉を、意識してチーム内で使い続けていくようにします。
「Aさん。今回の出張の出口は?」「Bさん。チームの皆に今回のセミナーの出口は共有できていますか?」
といった様に、あえて自分たちだけの言葉を使っていくことも1つのテクニックといえます。
ちゃんと伝わったかどうかを確認しよう
冒頭にも述べましたが、コミュニケーションギャップは必ず発生します。
100を伝えて、相手にそのまま100のまま完璧に伝わるということは無いという事実を、
まず私達がしっかりと認識をしましょう。
では、この情報の欠損を最小限にすることはできないのでしょうか。
実はとても簡単な方法があります。
それは 相手に確認すること です。
いや、そんなこといつもやってますよ!
と反論されそうですが、確認する方法が違っていたのです。
誰かに指示を出したあとに、こうやって確認していませんか?
「ここまでわかった?」
私達は、そう質問されると70%の理解でも「はい、わかりました。」と答えてしまいます。
YESかNOかで答えられる質問を使用すると、その間の尺度を図ることができないどころか、
その場を切り抜けるために、とりあえずYESで答えてしまうのです。
そこで、どこまで伝わった確認をする質問がこれです。
『今伝えたことを、繰り返してみて』
そうです。相手に喋らせるとすぐに確認することができます。
部下は自分がちゃんと理解したことしか、話すことが出来ないはずです。
足りない部分を確認して補足してあげることで、ぐっと伝わり方が変わりますよ!
注意点もあります
コミュニケーションギャップを減らすポイントをいくつか紹介しましたが、相手によっては逆効果になることがあるということも頭に入れておいてください。
1を聞いて10を知る。優秀な人の中には、端的な指示でもこちらの背景や意味。目的も察して理解し行動することが出来る人もいます。
そういう人には、事細かに指示を出すことで「信頼されていないんじゃないか」とか「自由にやらせてほしい」と窮屈さや不満を感じることがあります。
かえってそれがモチベーションの低下。パフォーマンスの低下につながることがありますので、私達はまず相手のことを良く観察し知ることがスタート地点なのかもしれませんね。