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『情けは人のためならず』ということわざを聞いたことがあるという人は多いと思います。

そして、それが本来とは間違った意味で覚えている人が多いというのも有名な話ですね。

実は『情けは人のためならず』という言葉。人間関係づくりにおいてとても大切なことを教えてくれています。

正しい意味と、実際のビジネスや学校などの現場でどのように活かしていけば良いかを見ていきたいと思います。

 

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『情けは人の為ならず』の本来の意味とは?

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そもそも『情けは人のためならず』ってどういった意味なのでしょう?

辞書で本当の意味を調べてみると以下のようになります。

 

情をかけておけば,それがめぐりめぐってまた自分にもよい報いが来る。人に親切にしておけば必ずよい報いがある。

補注:情をかけることは,かえってその人のためにならないと解するのは誤り

出典:日本国語大辞典 第2版(平成12~14年 小学館)

辞書にもわざわざ指摘されている通り、「情けをかけて、優しく接することはその人のためにならない」という間違った解釈をしている人が多いということがわかりますね。

実際に私も小さい頃は、そういう意味だと勘違いしていました。

部活で後輩を甘やかす友達に偉そうな顔をして、

「優しくすればいいってもんじゃない。情けはひとのためならずだろ!(ドヤッ)」

なんて言ってたこともありました。恥ずかしい・・・。

 

実際に平成22年に行われた、「国語に関する世論調査」でも45.7%の人が間違った覚え方をしているという結果も出ています。

約半数が本来の意味を理解していない。

つまり冒頭に述べたように、人間関係づくりにおいて大切なことを約半数の人が理解できていないとも言い換えることが出来ますね。

 

人間関係づくりにおける「情け」とは

では人付き合いにおいて、情けをかけるとはどういったことなのでしょうか。

私達は生活していく中で、周りにいるいろいろな人達と付き合いながら日々を送っています。

その相手に対して優しくしたり、その人のためを思って役に立とうと努力したり。

仕事の場であれば、上司や部下の先回りをして相手が仕事を進めやすいように手回しをしたり。

そういった相手を思いやった行動=「情け」と考えられます。

 

「情け」かけてますか??

 

相手のためになる行動をすれば、めぐりめぐって自分のところ良い結果として返ってくる。

「損得より善悪を優先する」

わかってはいても、なかなかできなかったりしますよね。

昨日の行動を振り返ってみてください。情けかけられてましたか?

私が働いていた飲食業界においては、いまだに多いんです。自分が中心の人。

特に調理人の世界で長く生きてきた人は、上下の関係が染み付いているため「情け」をかけられないという人が多い傾向にあります。

結果的に人間関係でトラブルを巻き起こし、人を辞めさせていくなんてことがよくありました

 

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「求める」から「与える」にシフトチェンジしよう

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では情けをかけられる人と、そうでない人の間にはいったいどんな違いがあるのでしょうか?

両者の違いはたった1つです。

 

それは人と接するときに、その相手に対して「求める」人なのか「与える」人なのかです。

 

相手に対して求める人は、「情け」をかけることができません。

でも、相手に対して与える行動が取れる=「情け」をかけている人ということです。

わかりやすくするために「求める」と「与える」の具体的な行動をいくつか例に上げて見てみたいと思います。

 

「求める」行動の例
  • 部下から挨拶をされるまで、自分からはしない
  • 笑顔がなくブスッとしている
  • 相手の不足ばかりを指摘して、改善を求める
  • 失敗ばかりを攻める
  • ◯◯してもらって当たり前。ありがとうが伝えられない
  • 機嫌の良し悪しが、すぐにわかる
  • 怒鳴る。怒りつける
  • 「言わなくてもわかるだろ」が口癖

 

いくつかリストアップするだけで、完全に嫌な人が出来上がってきますね・・・。

「求める」ばかりの上司がいる職場とか、想像しただけで逃げ出したくなりませんか?

 

反対に与える行動をみてみます。

 

「与える」行動の例
  • 誰に対しても自分から挨拶をして、声をかける
  • いつも笑顔で相手に接する
  • 相手の良いところを認め褒める
  • 小さなことでも出来たことを見つけ、伝える
  • 些細なことでも感謝し、ありがとうを伝える
  • いつもフラットで、気分の上下が少ない
  • 喋り方が丁寧。敬語、「さん」付け
  • 報告・相談が細かい

 

すこし大げさかもしれませんが、ひとつの行動をとってみても「求める」と「与える」の差が大きいことは言うまでもありません。

あなたが「与える」人間であれば、周りの人もあなたのために何かをしてあげたいと思い、歩み寄ってきます。

結果は周りの人の変化が教えてくれますよ。

 

あとは「与える」行動を選び続けるだけです。

その方法は前回投稿した『ポジティブ転換』を行うことですよ!!

ポジティブ転換のキーワードを見てください。全て「与える」行動になっているはずですから・・・。

 

「誰かのためになる行動を!」と考えると、なんだか敷居が高いような気がしてきますが、

ほんの些細な日常のやり取りの中で、「求める」を「与える」に変えるだけで、

明日から身の回りが、幸せな出来事で溢れてくるかもしれませんね!!