
私が働いている飲食業界。
特に居酒屋業態に対して皆様はどんなイメージをもっていますか?
「ブラック」「給料が安い」「3K(きつい・汚い・危険)」とよく言われます。
全ての企業がそうではないとはいえ、まだまだイメージ通りの会社・お店が多いのも事実です。
そこで出てくる問題が、「離職率の高さ」です。
厚生労働省が発表した平成30年雇用動向調査結果で「宿泊業・飲食サービス業」は、
26.9%と全産業の中で最も高い数値となっています。
人の入れ替わりが激しいというのが一般的な居酒屋業界。
そんな逆境の中で決して自慢じゃないのですが・・・
私の店は、常に人が溢れ人材不足の悩みを抱えたことがありませんでした!
人材の定着の鍵は、その店のリーダーにあり!!
そのポイントについて紹介をしていきたいと思います。
離職率の高さ = 定着率の悪さ
有効求人倍率が高く、自由に仕事が選べるこの時代です。
先ほど述べた通り、悪いイメージが先行する飲食業界において
世間一般で「優秀」だと言われる人材は、飲食業で働こうとは考えません。
そりゃそうです。デキるやつは最初から飲食業なんていかなくても、
大手企業で定時退社で合コンでウハウハ!!
な人生を送ってるっていう話で。
あー、うらやましい・・・。
飲食業が好きで、高い理想を持った超優秀な人材が、仮に入社してきたとしますよ。
でも優秀であるがゆえに、将来性やら他業種との比較やらで、
早い段階で見切りをつけて転職していってしまう。
THE・負のスパイラル!!
飲食業界の人材問題は、この大きな2つの問題。
「イメージの悪さによる、求人数の少なさ」と「離職率の高さ」により、ずっと悩みのタネとされていました。
私も、もちろん最初から全てがうまくできていたわけではありませんでした。
店長になりたての頃は、従業員全員から嫌われたこともあります。
辞めたいと言ったアルバイトさんと面談をしたときに、辞めたい理由を聞いたら、
「原因は店長です!」と面と向かって言われたこともありました。
当時の自分は、その理由が全く理解できていないばかりか、
「自分は間違ったことはしていない」
「なんでみんなわかってくれないんだ・・・」
「うまく行かないのはアイツが俺の悪口を言っているからだ」
「だから飲食店はダメなんだ」
考えることは、どうやって自分を認めさせて言うことを聞かせるかということばかりでした。
自分の言う通りにやれば、絶対店は上手くいくんだと大真面目に考えていました。
いやー、ほんとに…
大バカヤロウですね!
そんな私がどう変化をして、人に困らないチーム作りができるようになったのでしょうか。
リーダーが変われば、チームが変わる
きっかけは、当時私の会社に入ってくれていたコンサルの先生でした。
「原因は全て君だね」(グサッ!)
「はっきり言って、リーダーを降りたほうがいいね」(グサグサッ!)
「考えが甘いね!」(バキバキッ!)
バッサリ。こてんぱんにやられました。
その先生が教えてくれたのは、
「人間関係づくりは、相手を認めること」でした。
やったことは、たったの2つだけ。
- 当たり前にできていることを認めよう。
⇒ それに対しての感謝(ありがとう)を伝える。 - 相手と目線を合わせて、自ら歩み寄ろう。
⇒ 他社に興味を持って、深く知る。
当たり前にできていることを認める
私達がついやってしまいがちなのは、やってもらっていることに慣れてしまって、そのことに対しての感謝を忘れてしまうということです。
例えば、いつも一番に出社して会社の鍵を開け、電気をつけて準備をしてくれるAさんがいたとします。
あとから出社した私は当たり前のように、空調の聞いた明るい会社に出社できるわけなんですが、それが毎日のことだと当然のルーティンになってしまいAさんがやって当たり前という空気になってしまいます。
普段見過ごしてしまうことを、きちんと認めてあげましょう!
「Aさん。いつも一番に来てみんなのために準備を整えてくれてありがとう!みんな助かってるよ」
と一言伝えるだけでいいんです。
もっと些細なこともどんどん認めましょう。
「自分から笑顔で挨拶できるようになったね。みんな気分が良くなるよ。ありがとう!」
「いつも備品を決まった場所に戻してくれてありがとう。仕事がしやすいね!」
といったように、小さなことも見つけて感謝をするんです。
自分のことを見ててくれてる。ちゃんとわかってくれていると思った部下はどんな気持ちになるかは言うまでもありませんね。
相手と目線を合わせて自ら歩み寄る
部下に嫌われる上司の典型的な例として、
「自分の話ばかりしたがる」上司があげられます。
自分には関心があるけれど、他人には関心がないという現れです。
相手が何かを話しているのを遮って、「いや俺の場合はさ・・・」といった具合に自分の話にもっていく。
「うちの嫁がさ・・・」とか「昨日行った居酒屋はさぁ・・・」とか、なんでも自分の話をしたがる上司。
はっきりいいます。
誰もあなたの話に興味なんてありません!!
上司だから、いやいや笑顔で聞いたふりをしているだけです。
正反対ですね。
できる上司は相手に興味を持って、相手の話を聞き出します。
「Aさんには3歳になる息子さんがいたよね?そろそろ喋りだして可愛いでしょ?」
「Bさんヒゲダンが好きだったよね。今度こっちでもライブがあるらしいね。チケットとれた?」
といったように、普段から相手の家族や好きなことに対しての質問をします。
「あ、私のことをちゃんと知ってくれているんだ」と思うはずです。
どんなことでもいいのです。部下に関心を持っていることを具体的に示すことです。
自分の話をしたくなるのを、グッと堪えて聞き手に回りましょう!
とにかく聞くこと。これを続けるだけで周りから近づいてきて、聞いていないのに自分の話をし始めたらこっちのものです!
部下との距離はどんどん近づいてくるのを感じますよ。
以上の2点を続けることで、いつの間にかあなたは信頼されるリーダーに変わってきます。
気付けばあなたの周りには自然と人が集まり、チームとして成果が残せるようになります。
自分が変わることが何よりチームを変える原動力となるので、そこから取り組んでみましょう。